前回のコラムで、秋にぎっくり腰の患者様が急増するという実感をお伝えしましたが、実は、一年を通して季節の変わり目は、その時期特有の環境ストレスにより、特定の疾患が多発・悪化する傾向にあります。今回は、この整体師としての経験と、研究で示唆される傾向を基に、季節ごとに特に注意すべき4つの疾患とその理由をお伝えします。季節の変わり目は「寒暖差」と「活動の変化」で特定の疾患が多発する!?整体院に来院される患者様の傾向から、春は自律神経の不調、夏は肩こり・倦怠感、秋は急性腰痛症、冬は関節痛の悪化というように、各季節の環境ストレスに身体が適応できないときに症状が現れやすいことが分かります。環境ストレスが自律神経と血流を直撃するこれらの疾患が多発する最大の理由は、季節の変わり目の「寒暖差」や「活動の変化」が、体温調節を担う自律神経と全身の血流に大きな負荷をかけるためです。自律神経の乱れは、全身の筋肉を緊張させ、血流を悪化させます。血流が悪化した筋肉や関節は、柔軟性を失い、わずかな刺激で痛みが出やすくなります。以下の疾患は、季節特有の環境要因によって引き起こされます。季節疾患悪化する主なメカニズム(整体師の見解)春🌸自律神経系の不調寒暖差と新生活のストレスが自律神経のバランスを崩し、頭痛やだるさとして現れます。夏🌴肩こり・倦怠感冷房による局所的な冷えと、室内外の温度差による自律神経の疲弊が、血流不良と疲労感(倦怠感)を招きます。秋🍂急性腰痛症(ぎっくり腰)気温が下がりだすことで、寒暖差が腰の筋肉を硬直させます。この状態で衣替えなどの動作が加わり、腰痛リスクが増加するという報告もあります。冬❄️関節痛の悪化寒さで全身の血流が悪化し、特に膝や股関節など関節周辺の血流が低下することで、痛みを伝える神経が過敏になり、慢性的な痛みが悪化します。季節を先取りした「予防ケア」で健康な体を私たち整体師の役割は、痛みが出てから処置をするだけでなく、季節の変化が始まる前に身体の土台を整える「予防ケア」にあると強く感じています。季節ごとの傾向を理解し、寒暖差や活動の変化に負けない柔軟性・適応力のある体を目指しましょう。特に季節の変わり目には、定期的な姿勢のチェックと専門家によるメンテナンスを通じて、つらい不調に悩まされない体づくりをお勧めします。